不動産屋のウラ話
その関連で、検事総長の本やヤメ検(元検事)の本なども読みましたが、
「これ以上は秘密を墓場まで持って行かれるんだな」と思うこともしばしばでした。
不動産屋に国家機密にかかわるような大層な秘密はありませんが、
少しだけ、お話します。
それ以上は、お会いしてから。
まだ駆け出しの頃、「レインズ」という業者間情報に載った物件をお客様にご紹介して、
現地をご案内しました。
売主仲介業者の担当者も立ち会って、売主様・買主候補様・それぞれの業者が一同に会して、ご案内するのが通例です。ここで全員が面識を得ました。
物件は結構気に入られたのですが、即断即決はできませんでした。
数日後の夜、その物件で、夜のオープンハウスが開催されました。
夜景のきれいな高層マンションでした。
お客様は、私を呼び出すのが悪いと思われて、
単独で夜のオープンハウスを見学し、その物件に惚れ直しました。
盛り上がったところで、売主担当者がこう言いました。
「Mさん(=私)を通じて申し込まれると5番手です。」
「直接申し込まれると、1番手です。」
要するに、私を仲介者から外せば、売ってあげますよ、
という誘いです。
お客様の頭の中を、ぐるぐると考えがめぐりました。
仮にこの物件が購入できたとしても、
同時に売主として今住んでいる家の売却をこの悪魔の誘い主に任せたら、
目の前にいい買主がいても、
自社の都合で売らずに、より安い買主に売る可能性がある。
(3000万円の片手契約=他社との共同仲介で売るより、
2800万円の両手契約=自社で売主・買主ともに仲介する方が儲かるのが現実です)
買う寸前まで物件が気に入られたのに、
そんな事情で諦められ、
私は、その後、他の物件の仲介で、
いもづる式に商売をさせていただきました。
ライバルは誰でも知っている大手です。
この業界にいると、
大手でも変なことをするヤツがいるというより、
大手にもまともなヤツもいるという気がすることがあります。
刑法上は「背任罪」のはずですが。
私だって、エンマ様の前に出れば、ずいぶんしぼられそうですが、
立派なことはできなくても、「普通に」仕事をしようよ、と思いませんか?
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